大阪と京都にあるカウンセリング機関(臨床心理士)/女性ライフサイクル研究所フェリアン。講演・研修、研究・執筆活動なども行っています。

「ステップファミリー」をご存知ですか?

夫婦のどちらか、または両方が、前配偶者との子どもを連れて再婚したときに生まれる家族、いわゆる子連れ再婚家族のことをステップファミリーといいます。「ステップ」は、日本語に訳すと「継」となり、血縁のつながりのない継親子家族形態を表した言葉です。

離婚・再婚の増加に伴い、フェリアンのカウンセリングでも、最近、ステップファミリーに関するご相談を、よくお受けします。

「今度こそ幸せな家庭を築きたい」と思って再婚したはずが、思い描いていた暮らしとは違うというのは少なくありません。ステップファミリーを支援するSAJのハンドブックでも、「ステップファミリーの家族関係がしっくりいくまでには、最低でも4年ぐらいかかる」と紹介されています。

というのも、ステップファミリーは、初婚同士のカップルが一から家族関係を築いていくのとは違い、すでに出来上がった家族関係に、新しい関係が組み合わされることによって、摩擦が生じたり、予想外の問題が起こりやすいものです。ステップファミリーの子どもは、実親との別れや引越し、転校など、たくさんの喪失や変化を経験します。また、どの家族にも、それぞれの生活パターンやルールがあり、新しい習慣を無条件に押し付けられることにストレスを感じることも多いようです。さらに、ステップファミリーでは、夫婦関係に先立ち、親子関係が存在しているため、親子で愛情の取り合いをしたり、新しいパートナーと子どもとの板挟みになることも珍しくありません。

継親は、継子をきちんと育てなければというプレッシャーから、厳しく接することも多く、時には、それが行き過ぎてしまうこともあります。一方、継子からすれば、継親に厳しくされると反発を感じ、ますます反抗的な態度をとり、親子関係が上手くいかない悪循環に陥ってしまいます。

ステップファミリーは初婚家族とは構造上の違いがあり、それゆえに起こりやすい問題であっても、親子関係がうまくいかないのは自分の努力不足と、自分を責めてしまうことで、ますます追い込まれてしまうことが多々あります。

そうならないためには、既成の家族像にとらわれずに、自分たちらしい家族を目指すことや家族それぞれの気持ちが満たされることが必要となってきます。

そして何よりも、周りの理解や気遣いが大切です。

もともとの複雑さに加え、周囲からの誤解や理解のなさが、ステップファミリーを傷つけることも少なくありません。「あそこは、継親だから」とか「好きで再婚したくせに」「子どもたちが可哀想」という心ない視線にさらされることによって、コミュニティの中で孤立してしまう家族もあります。

いろんな家族形態があって当たり前なのに、私たちは、つい自分のものさしで、家族とは、こういうものだと決めつけがちです。でも、それが少数派の人たちを生きにくくしていることに目を向け、より柔軟な価値観を持てれば、社会の風通しもよくなるのではないでしょうか。

人によって、幸せのカタチもさまざまです。みんなが互いを尊重し、助け合えるようなコミュニティづくりをしていきたいものですね。

参考:SAJ LEAVESテキスト、SAJハンドブック

(2014年12月)

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