大阪と京都にあるカウンセリング機関(臨床心理士)/女性ライフサイクル研究所フェリアン。講演・研修、研究・執筆活動なども行っています。

モラル・ハラスメント、通称「モラハラ」とは、言葉や態度によって、巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力を意味します。フェリアンのカウンセリングでも、よく相談を受けますが、最近では、テレビや雑誌などで、目にすることも増えてきました。モラハラは、夫婦間、家族間、会社内、学校内など、社会の様々な場所で、おこなわれています。加害者は、悪意のあるほのめかしをしたり、嘘をついたり、無視をしたり、侮辱するといった方法を使って、相手を巧みに攻撃します。ひとつひとつは小さくても、それが一定期間、繰り返しおこなわれると、精神的にかなり強いダメージを受けます。

このモラハラには、二つの段階があります。まず最初は<支配の段階>で、加害者が被害者を惹きつけることから始まります。それがうまくいくと、次は相手が自分から離れなくなるように少しずつ影響を与え、被害者の考えや行動をコントロールしていきます。そして、被害者が、少しでも反抗しようとすると、加害者の心に憎しみが表れ、<暴力の段階>へと進み、嫌味や皮肉、中傷や悪口によって、被害者をいためつけます。それも、怒り口調というよりも、冷静に述べられることが多く、被害者は、「自分が悪いから、怒らせてしまうのだ」「自分がもっとうまくやれるといいのにできない自分が悪い」と思わされてしまうことがしばしばあります。また、身体的暴力と違い、傷が目に見えないため、なかなか周りに理解してもらえず、一人で抱えてしまうこともあるようです。

モラハラの加害者は、自己愛が強く、自分は特別な存在で、自分のためなら誰でも喜んで尽くしてくれるものと考える傾向があります。そして、他者への共感性に乏しく、相手が苦しんでいても、相手が悪いんだから仕方がないと思い、自分自身の非を認めたり、反省する気持ちが乏しいと言われています。

もし、モラハラに気づいたら、「自分さえ我慢すれば何とかなる」と思わないことです。身動きのできない状態から抜け出すためには、まず信頼できる人に相談し、今の状況を客観的に観察してみましょう。相手と関わらないようにすることが最善の方法ではありますが、それには、かなりのエネルギーがいりますし、すぐには実行するのが難しい場合もあるでしょう。

フェリアンのカウンセリングでは、モラハラの被害を減らすにはどうすればいいか、またモラハラの加害者から距離を置く方法について一緒に考え、相談者の方が、自分らしさを取り戻していくお手伝いをします。

(2015年2月)

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