大阪と京都にあるカウンセリング機関(臨床心理士)/女性ライフサイクル研究所フェリアン。講演・研修、研究・執筆活動なども行っています。

自尊心とは、どのような自分であっても他人から受け入れられ、自分の存在を価値のある、大切なものとして肯定しようとする心と定義されています。

 

◆自尊心が高い人

自尊心が高いと、不安を感じることが少なく、何か問題が起きたとしても冷静に対処することができます。自分を過度に責めることも、相手を強く非難することもありません。物事を公正に見て、何がよいか適切に判断することができます。確固とした自分を持っているため、他者からの評価にふりまわされることなく、否定されたとしても、悪い部分をより良く改善しようと努めます。

 

◆自尊心の低い人

反対に自尊心が低いと、自分の感情や考えに自信が持てず、何かを決断しなければならないときに、自分のためによくない決断をしたり、害になる選択をしたりしがちです。大切な判断を人任せにしてしまうこともあります。他者からの評価に敏感で、ネガティブなことを言われると、何もかもがダメだと全否定してしまい、こんな自分は生きる価値もないと、極端な考えにいきつきます。また、自分を少しでも有利な立場にしようとして、徹底的に他者を攻撃したり、こき下ろしたりすることもあります。

 

◆自尊心が形成される過程

では、自尊心というのは、どのように形成されるのでしょうか?多くの場合、生まれ育った家庭での家族との関わりの中で育まれていきます。

良いところも悪いところもあるがままに肯定され、認められ、褒められると、自尊心は高くなります。逆に、何をしても悪いところやできていないところばかり指摘され、非難されると、自尊心が低くなります。

また、親が子どものすべてを受け入れるのではなく、「良い子にしていたら可愛がる」「いい点を取らないと愛さない」というように条件付きの愛情しか与えず、いつも他のきょうだいや友達と比較するということが続くと、自尊心は傷つけられます。

怒ったり、泣いたり、感情を表現することを禁じられたり、わがままが許されなかったり、助けを求めても聞いてもらえなかったりということからも、子どもは自分には価値がないということを学習し、自尊心を得たいという気持ちを押し殺すようになります。

両親の不仲や言い争いが絶えない、暴言や暴力をふるう人がいる、家族の中に秘密がある、依存症などの病気を抱えている人がいるなど、安全な場所として家庭が機能しない中で育った場合も、自尊心が育まれにくいでしょう。

 

◆自尊心を高めるには

自尊心を高めるにはどうすればいいでしょう?長い時間をかけて、その人の考えや態度、行動、言葉というのは形づくられていきます。低い自尊心を高めていくにも、それ相応の時間と少しでも変えていきたいという気持ちが必要です。

自尊心が低いのは、家庭の中で不健全なメッセージに接し学習されたものであるとするなら、人生を肯定する健全なメッセージを取り入れていくことが、自尊心を高めるのに役に立ちます。

 

①他人の目を気にしすぎない

いつも他者の目や意見が気になって、自分の考えや思いを出せないということが多いなら、「他者からどう思われるか」というのを一旦わきに置いて、「自分はどう思うか?」「どうしたいか?」を自分自身に問いかける習慣をつけていきましょう。

 

②健全な心配りをする

いつも最悪な事態を予測し、心配しすぎて、行動できない状態になっているなら、それは過剰な心配です。何かが起きる前に心配するのではなく、起こった時に、自分と相手に気を配り、優しい言葉をかけ、力づけ、問題解決の方法を考えるようにしましょう。

 

③「ノー」という勇気を持つ

他人から頼まれたことを断るのは勇気のいることです。相手に嫌われたくないために、やりたくないことを無理に引き受け過ぎてしんどくなっていませんか?相手のために何かする必要があるときもあるでしょうが、いつも自分を犠牲にしているなら、それはできませんと、「ノー」をいう勇気を持ちましょう。それが自分を大切にすることにつながります。

 

④感情の境界線を引く

家族や友人など自分にとって身近な人が怒っていたり、悲しんでいると、相手の感情に飲み込まれてしまい、何とかしなくてはと、人の感情にまで責任を持ってしまうことはないでしょうか?他人の感情は、それがどんなにつらいものであっても、相手のものです。

また自分の感情は、自分自身のものなので、それを人のせいにしたり、八つ当たりをしないように気をつける必要があります。

 

⑤自分の世話をする方法を持つ

傷ついたときや悲しいときに、自分をなぐさめる方法をたくさん持っていることは、落ち込みからの回復を助けます。人の世話ばかり焼いている人は、自分自身がくつろげることやホッとできる時間を見つけ、「いつもよく頑張っているね」と自分をいたわるようにしましょう。自尊心が低いと、自分が楽しむことを禁じる傾向がありますが、好きなことやリラックスできることを心がけ、自分をいつくしむことが自尊心を高めます。たくさんリストアップして壁などに貼り、いつでも実行できるようにしましょう。

 

自尊心を高めるというのは、意志の力だけで何とかなるものではありません。知らず知らずのうちに身につけてしまった自分を傷つけたり貶める言葉を排除し、人間としてより成長できる、健全な人間関係や居場所をつくり、自分の持つ力を信じ、自分の言葉や感情を持ち、自分は自分のままでいい、自分は愛するに値する人間であると、思えるようになることです。

このプロセスをひとりでおこなうのは、難しいこともあるでしょう。

フェリアンでは、カウンセリングを通じて、あなたの傷ついた自尊心を回復し、自尊心を高めていけるよう、お手伝いします。

 

参考文献

西尾和美『アダルトチルドレン癒しのワークブック』(1998)学陽書房

 

(2017年7月)

 

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