大阪と京都にあるカウンセリング機関(臨床心理士)/女性ライフサイクル研究所フェリアン。講演・研修、研究・執筆活動なども行っています。

人は誰でも、他者から認められたいという気持ちを持っています。マズローは、人間の基本的欲求を低次から高次まで五段階に分類しました。①生理的欲求、②安全欲求、③社会的欲求、④承認欲求、⑤自己実現欲求です。そして人の欲求は低次から高次へと順番に満たされることを求めると言われています。

すなわち、生命維持のための食事、睡眠、排泄等の「生理的欲求」が一番下にあり、その上に、経済的な安定や健康など「安全欲求」があり、さらに、つながりや所属を持ちたいという「社会的欲求」があり、その上に、他者から認められたいという「承認欲求」があります。その「承認欲求」の上には「自己実現欲求」があります。

衣食住が満たされ、安全で豊かになった現代社会では、お金などの物質的なものより、社会的に評価されたい、人に認められたいという「承認欲求」が強くなってくるのは、無理もないのかもしれません。

ただし、「承認欲求」には、落とし穴があります。「承認欲求」は他者からの評価によって自分の存在意義を確認しようとするものなので、他者からの評価が得られなければ、自分の存在意義が見いだせなくなってしまう危険性が伴います。

 

◆「承認欲求」が強い人の特徴

「承認欲求」の強い人の特徴として、他人の目が必要以上に気になるということが上げられます。基本的に自分に自信がないため、自分の言動を、他人がよいと評価してくれると、安心できます。

目立ちたがり屋で、人から注目を浴びてないと、自分を保てないというタイプもいれば、劣等感が強く、面白みのない人間であると感じていて、それを埋め合わせるために、承認されることを求めてしまうタイプもあります。いずれも根底にあるのは、寂しさや虚しさかもしれません。

何かをした時に、「すごいね」「よくやったね」と他者から評価されると嬉しい気持ちになり、もっと頑張ろうと思うのは自然なことです。けれども、何かをすることよりも、褒められたり賞賛されることが目的となり、さらに自分を大きく見せようと見栄を張ったり、ありもしないことを本当であるように話さなければいられないようになると、自分自身を追い込むことになります。

 

◆「承認欲求」が強くなる背景

「承認欲求」が必要以上に強くなってしまう背景として、家庭や学校、地域など子どもをとりまく様々な生活な場での、親をはじめとする身近な人との関係があります。親や身近な人から、どんなに頑張っても褒めてもらえず、否定的な言葉をかけられてきた人は、愛してもらえない、認めてもらえないという欲求不満がたまり、何とか認められたいという「承認欲求」が強まるといわれています。

成長するにつれ、子どもの頃にもらえなかった承認を、周りの人に求めることで、空っぽの心を満たそうとします。

しかし、「承認欲求」は他者からの評価に左右されるため、どこまで求めても充足されることはなく、際限なく求め続けなければ安心することのできない事態に陥ってしまいます。

「承認欲求」は、人が何かを成し遂げようとしたりするときに、モチベーションにもなりますが、一歩間違えると、常に他者からの評価に気を取られ、自分の軸というものを持つことができなくなります。

では、「承認欲求」とどのようにつきあっていけばいいのでしょうか?斎藤(2013)は、次のように示唆しています。

①他者からの承認とは別に、自分を承認するための基準を持つこと。

②“他者から”の承認以上に、“他者への”承認を優先すること。

③「承認の大切さ」を受け入れつつもほどほどにつきあうこと。

つまり、他者承認から、自分で自分を認める自己承認の基準を持つということが大切です。必要以上に他者からの承認を求めず、自分自身の評価基準を築き、「ここまでできたらOK」と、思えることが大切です。

また、人から承認を得ることばかりを求めるよりも、他者を承認することに重きをおき、「承認されたい気持ち」から距離を取るというのが、ほどよく「承認欲求」とつきあう方法でしょう。

常に他者の評価が気になる。人から承認を得られないと、生きている価値が感じられないなどの悩みに苦しんでいるときには、カウンセリングを受け、自分自身を見つめなおすことで、他者の評価から自由になり、生きやすくなることがあります。

フェリアンのカウンセラーは、生きづらさを抱えている方が、自分らしく豊かに生きていけるように、共に考えていきます。

参考文献

斎藤環『承認をめぐる病』(2013)日本評論社

(2017年8月)

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