カウンセリング

アダルトチルドレン

フェリアン大阪・京都ではアダルトチルドレン(AC)からの回復のためにカウンセリングに力を入れています。

人は、自分が育った家族のなかで、人間関係やコミュニケーションの仕方、何を大切に思い、何を許せないと思うかなどの価値観を、身につけていきます。

しかし、例えば家庭内に暴力やアルコールの問題があり、家族関係がうまく機能せず、家が安全な場所とならない「機能不全家族」のなかで育つと、不健全な考え方や間違った関係の持ち方を取り入れてしまい、嫌なことに「NO」が言えなかったり、人との距離が上手く取れなかったり、自分に自信が持てなかったり、空虚さを抱えてしまうことがあります。

このように、「機能不全家族」のなかで育ち、家族からの影響で生きづらさを抱えている人のことを「アダルトチルドレン(AC)」といいます。

もともとは、アルコール依存症の家庭に育った子どもたちが、両親の口論や暴力を間近で見続けることで、心理面や情緒面に歪みが生じ、すこやかな発達が妨げられることが多いことから、この名前がつきましたが、今では「アダルトチルドレン」の概念が広げられ、「機能不全家族」に育ち、成人してからも精神的な問題を抱え、それが成育歴との間に一定の因果関係のある人を指すようになってきました。

ただし、この「アダルトチルドレン」という言葉は、医療における診断名ではありません。自分が生まれ育った家族における親の影響や支配のために、自分らしく生きられていないということを、自ら認める用語です。従って、「アダルトチルドレン」とは、主観的な言葉で、同じ家庭に育っても、自身を「アダルトチルドレン」と思うかどうかは、きょうだいで差があり、自分が家族からの影響によって、本当の自分を出せず、生きづらいと感じるなら、「アダルトチルドレン」であるといえます。

(1)「アダルトチルドレン」の三つのタイプ

①責任を負う子ども

家族関係の中で、親が親の役割を取らない場合、家族を助けるために、子どもが過剰に責任を取るという役割を背負うことになります。

そういう人が成人すると、「いや」と言えず、何でも引き受けてしまい、背負わなくていいことを背負って疲れてしまいます。また、人に任せられず、自分の思い通りに周りを動かしたいと思うため、チームプレーが苦手なことがあります。

②なだめる子ども

家族の重苦しい雰囲気を緩和しようとしたり、対立を仲裁したりする調整役を担うタイプです。例えば問題(病気)を起こすことで、家族の関心を自分に向け両親の対立から目をそらさせたりする子どもや、冗談ばっかり言って周りを笑わせる子ども、きょうだいの面倒をみたり親の手伝いをするケアテイカ―の役割をする子どもなどです。このタイプは、人の役に立つことに存在意義を感じ、自分を犠牲にしがちです。

③順応する子ども

親の問題に我関せず、いるかいないかわからない忘れられた子どもです。このタイプの人の問題は、どのような状況であっても、自分を周りから隔絶させるため、人の中に入っていけず、孤立しがちで、親密な関係を築くのが難しい傾向があります。

外の世界に関心がないわけではなく、様子を伺いつつ、巻き込まれることを恐れているため、常に緊張と恐怖を強いられ、落ち着かない状態に置かれています。

「機能不全家族」の中で育ってきた「アダルトチルドレン」は、その環境を生き延びるために、それぞれの役割を担い、適応能力を身につけますが、それが過剰に働き過ぎて、どこにいってもしっくりなじめなかったり、やりすぎたり、浮いている感じや地に足のつかない居心地の悪さがつきまといます。

(2)「アダルトチルドレン」の性格特徴

「アダルトチルドレン」の性格特徴として、孤立感、極端な自己評価の低さ、愛と同情の混同、怒りや批判への脅え、自分の感情に気づき表現することの困難、自己肯定感の低さ、失敗することへの恐怖、承認されることの要求などが挙げられます。

なかでも、「自己承認の要求」は、親から自分自身をありのままに受け入れられなかったために、承認を得ることを強く求め、少しでも否定的なニュアンスを感じると必要以上に落ち込んでしまうことがあります。また、自己肯定感の低さが「居場所のなさ」や「この世の中に存在してもいいのだろうか」という感覚につながっています。

そして、周囲の人々に気に入られ見捨てられないための必死の試みをします。そのため、自分を傷つける人間関係にしがみついてしまったり、損をする選択をしたり、嫌なことを我慢してしまうということもあります。

(3)「アダルトチルドレン」からの回復

「アダルトチルドレン」からの回復とは、どのようなものでしょう?

それは、偏った家族の中で育ったために、生きているのがつらいと感じている人の、生きづらさや苦しさが少しでも楽になっていく道のりです。問題がすべて消えてなくなるというのではなく、自分の中で良い意味で折り合いがつけられるようになることも、その一つです。

「アダルトチルドレン」からの回復には、大きく以下の段階があります。

ステップ1 認める

家族の問題がどのように影響し、トラウマ(心の傷)を受けたかを明らかにする。

ステップ2 癒す

得られなかったものや傷ついてきたことを嘆き、過去を含めて、今の自分を受け入れる。

ステップ3 つくる

安全な場所を見つけ、自分自身を取り戻し、健全な人間関係をつくっていく。

自分の中に棲んでいる親(インナー・ペアレンツ)とどう戦い、どう折り合いをつけていくかも、大切なプロセスです。これまでの人生は、親が中心となり、親の考えや価値観を自分の中に取り込んできました。「父が気に入る仕事につく」とか、「母の喜ぶ服装をする」とか、自分の心配をする前に、親の心配をしなければならず、自分は脇役でした。

そこから決別するには、自分の人生と親の人生の間に線を引き、親が主役のドラマを降りて、自分を主役としたドラマに作り直すことです。

そうすることで、自分の中で大きな存在を占めていた親は小さくなり、自分のドラマの一登場人物にすぎなくなります。そうやって親との関係を変えることで、新しいストーリーが生まれます。

ただ、このプロセスは、たやすいものではありません。過去のことをふりかえり、自分がつらい思いをしてきたことを認めるのには痛みが伴います。親に対する怒りや悲しみなど、いろんな感情に揺さぶられます。一時的に不安が高まったり、症状が悪化することもあります。

しかし、行きつ戻りつしながらも、少しずつ前に進んでいくことで、親の支配により奪われた力とコントロール感覚を取り戻していくことができます。

フェリアン大阪・京都のカウンセリングでは、家族からの影響を受け自分らしく生きてこれなかった「アダルトチルドレン」の方が、カウンセリングを通じて、子ども時代のことや親との関係を語り、自分の問題を客観視し、それに伴って感情が放出されることで、少しでも苦しみが和らぎ、心が軽くなるよう、回復の道のりを一緒に歩んでいきます。

文献

西尾和美『アダルトチルドレン癒しのワークブック』学陽書房(1998)

信田さよ子『アダルトチルドレン完全理解』三五館(1996)

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