カウンセリング

発達障害による生きづらさを抱えた方へのカウンセリング-自閉症スペクトラムを中心に

フェリアン大阪・京都では、発達障害による生きづらさを抱えた方やご家族の方へのカウンセリングを行っています。

近年、「発達障害」という言葉が、あちこちで聞かれるようになり、「私もそうじゃないか?子どもが...夫が...発達障害ではないか?」という物差しで人を見ることが増えているようです。医療現場のみならず、教育や福祉、産業など様々な現場で発達障害の有無をアセスメントし、医療受診と検査、必要な投薬と苦手を克服するプログラムや心理教育が重要であるとする風潮が見られます。

発達障害とは

そもそも「発達障害」とは何か?急に増えたりするものなのでしょうか? 発達障害とは、実はまだ何が原因なのか明らかにはなっていないようです。よくわかっていない発達障害がブームになったり、増えたりするという現象には当然ながら注意が必要です。

現在の発達障害の定義の主流は、脳科学研究による捉え方です。簡単にまとめると「神経の発達がうまく進まないことによって生じた脳の障害で、代表的な状態としては、自閉症スペクトラム(自閉症、アスペルガー障害...)やADHD(注意欠陥/多動性障害)、学習障害などがある。(岡田2012)」と考えられていますが、近年、急増がみられる背景には、心理社会的要因の変化、つまり子どもの生育環境が大きく関わっていると考えられています。現状に即した理解や支援を考えていくために、診断方法や診断名も変化してきました。 <自閉症スペクトラムとは> 大きく変化したのは、自閉症スペクトラムという診断名とそのとらえ方です。以前は、診断基準に基づいて、自閉症障害、アスペルガー障害、その他特定不能の広汎性発達障害のどこかに分類し、一般の人たちとの区別(障害の有無)がはっきりとしていましたが、急増の多くは、その他特定不能タイプや、自閉症とアスペルガーの間のような層であり、そもそも一般の人たちと、はっきりとした区別はつきにくいけれど、社会生活の中で生きづらさを抱えている人たちだということがわかってきました。そこで、一般レベルと障害レベルは、はっきりと区別されるもではなく連続線上にあるとして、自閉症スペクトラム(スペクトラム=連続したもの)という診断名が採用されました。つまり、私達は皆、自閉症スペクトラムのグラデーションのどこかに位置するという訳です。

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また、重要な診断基準として、「日常生活や社会生活において著しい困難さを引き起こしている場合」とあります。つまり、本人や家族の困り感に基づき、診断と治療が役に立つ場合には診断し、本人や家族が「何とかしてほしい、何とかしたい」と思う状態が無い場合は診断を受ける必要はないのです。診断はレッテル貼りをするためではなく、本人にとって有効な支援を選ぶためのものだという原点に返れば、必然の変化と言えるでしょう(千住2014)。

虹のスペクトラムのように、自閉症スペクトラム障害の現れ方にも、大きな幅があります。

対人コミュニケーションの困難さ

  • 他の人と社会的なやり取りを行ったり、気持ちを伝えあったりすることの困難さ
  • ことばを使わないコミュニケーション(指さし、視線、しぐさなど)の困難さ
  • 社会的な関係を築いたり、維持したり、理解することの困難さ

こだわり・常同行動

  • 特定の動きやことばなど(常同行動)を繰り返す
  • 周りの物の配置や道順などが常に同じであることにこだわる
  • あまり他の子どもに見られないような、細かい特定の物事に関する強い関心やこだわりがみられる
  • 音や光、肌触りなど、特定の感覚が敏感だったり、鈍感だったり、こだわりを持ったりする

【千住淳(2014)『自閉症スペクトラムとは何か』より抜粋】

個性と環境

心理社会的側面から捉えると、個人的要因だけでなく、受け止める人や受け皿となる環境によって異なってくると言えそうです。 人には、目に見える個性(体格や容姿...)と、一見しただけでは分からない個性(考え方、感じ方...)とがあります。十人十色の個性があり、個性に良し悪しはないのですが、日常生活、学校生活、社会生活へと、環境が広がり、集団の質が変化していく中で、「一見しただけではわからない個性」が、社会参入へのハードルになっていく場合があります。 就学前の幼児期に、ハードルにぶつかる人もいれば、成長するにつれて周囲から要求が高まる中で、徐々に個性が障害になってくる場合もあるでしょう。また、環境の変化や、ショックな出来事(トラウマ)が引き金となり、個性が障害になる場合もあります。

それらは、何が違うのでしょうか?

もちろん、個性の強さもあるでしょうが、強い個性をもっていても、社会で活躍している人もいます。つまり、個性(個人要因)だけで障害レベルとなるのではなく、個人を取りまく環境要因によって、発達障害のリスクを上げることも下げることもできるというわけです。

発達障害とトラウマ

発達障害の増加の一因として、発達特性(脳機能発達にアンバランスがあり、得意と苦手の差が著しい状態)に、家庭や学校や職場環境による不適切な関係性やトラウマ(例えば、虐待、いじめ、パワハラなど)が重なっている層が増えていることが指摘されています。このような発達障害によるいきづらさは、行動療法や認知行動療法、SST(ソーシャルスキルトレーニング)だけでは、解消されません。トラウマを視野に入れたカウンセリングが必要となります。

カウンセリングによる支援

フェリアン大阪・京都では、一人一人が持っている個性とその方が生きている環境の両面に目を向けて、個人に働きかける方法(ご本人の持っている力に着目するレジリエンスの視点を重視)と、環境に働きかける方法(特性を理解し、うまくつきあっていくポイントの助言、不安を減らすコミュニケーション、要求の出し方と量の調整等)の両面から支援を組み立て、個人と環境の適合を目指します。

また、フェリアン大阪・京都ではご家族やパートナーの特性に悩まれている方を対象としたカウンセリングも行っております。発達特性を抱えている方と日常を共にしている人の生きづらさは、周囲にわかってもらえないことが多く、疲弊し、孤独感を強めてしまうことがあります。ご家族が自分らしさを取り戻し、心身共に元気であることが、一番大事な支援であると、フェリアンは考えています。

個人に寄り添う個人カウンセリングはもちろん、カップルカウンセリング、親子カウンセリングによる「環境との適合」を視野に入れたカウンセリングも行います。

※なお、発達検査は実施しておりません。

【参考文献】

岡田尊司(2012)『発達障害と呼ばないで』幻冬舎新書
千住淳(2014)『自閉症スペクトラムとは何か』ちくま新書
杉山登志郎(2011)『発達障害のいま』講談現代新書

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