カウンセリング
産後クライシスに悩んでいる方へのカウンセリング
産後クライシスとは、2012年にNHKがこの名称をつけて特集したのがはじまりで、出産後に急激に夫婦関係が悪くなることを指し、エスカレートすると離婚に至ることもあります。ただし、産後クライシスは珍しいものではなく、多くの夫婦にみられるものです。この危機をどうやって乗り越えるかで、その後の夫婦関係にも影響を及ぼします。
産後クライシスの原因には以下のようなものがあります。
① 出産によるホルモンの変化
妊娠から出産にかけてホルモンの量が急激に変わります。妊娠中は、胎児を育てるためのホルモンが大量に出ていたのが出産とともに低下し、女性はイライラしやすくなったり、攻撃的になったりしやすくなります。
また、ちょっとしたことにも敏感になります。それは赤ちゃんの泣き声にすぐ気づくという利点もありますが、普段なら流せることが流せなくなったり、少しの言葉に大きなショックを受けたりしやすくなるようです。
② 子ども中心の生活
子どもが生まれると、多くの場合、男性より女性の方が赤ちゃんの世話に追われがちです。数時間おきにミルクをやったり授乳をし、おむつを替え、何度も夜泣きをされ、その対応で手いっぱいになってしまい、自分のことにかまう余裕もなくなります。夜泣きで眠れないからと言って夫婦の寝室を別室にすると、その後も元に戻せず、父と母というだけの関係になってしまう場合も少なくありません。
夫にとっても我が子なのだから一緒に子育ての大変さを引き受け、共に育てる姿勢がなければ、その怒りは夫に向かうでしょう。
③ 夫婦のすれ違い
夫が仕事に行き、妻は家庭に残され育児をしていると、「なんで私ばっかりこんな大変な目に遭わないといけないの」という思いが募ります。ましてや初産であれば、何もかも初めての体験で不安が膨らみます。
赤ちゃん可愛さに子育てに口出ししてくる親族に対して、夫が妻を守らないなら、妻が孤立感を深めることにもつながり、夫婦の溝はさらに深まっていきます。
妻が夫にイライラをぶつけ、夫がそれを受け止めずに避けるようになると、夫婦間の楽しいコミュニケーションは減っていきます。口を開けば喧嘩ばかりになると、だんだんお互いの存在を疎ましく思うようになるのも無理のないことではないでしょうか。問題が大きくなるのを防ぐには、早めに対処することが大切です。
産後クライシスを乗り越えるには
① 知識を持つ
まず、女性は出産後にホルモンのバランスを崩しやすく、イライラしやすいものだということを理解する必要があります。それがわかっていれば、妻にイライラをぶつけられたとしても、夫も「ホルモンの影響もある」と余裕をもって接することができます。
パートナーシップというのは共に築いていくもので、どちらかがどちらかの言いなりになるというものではありません。共にやっていこうとする夫に、「私のやり方でやって」という態度は夫の気持ちを挫くことにもなりかねません。
また妻が実家の親にベッタリで何もかも頼り切ってしまうと、夫が父親として育つ機会を失ってしまうという事態を招きます。
相手を責める前に、自分中心になり過ぎていないか、相手のことを思いやれているか、夫婦関係を振り返り、冷静に二人の関係を見つめ直すことも必要です。
② コミュニケーションを増やす
親密な関係であればあるほど、相手に対して、言葉にしなくても察してほしいという思いが強くなります。しかし、いくら親しい間柄であっても、相手の考えていることがすべてわかるということはありません。言葉に出さずにわかってもらおうというのは無理な相談です。「こうしてもらえると嬉しい」「こういうことで困っている」と、どんな小さなことでも言葉にして思いを伝えるようにしましょう。相手の言葉には、しっかり耳を傾け、「これならできる」ということを返していくことが大切です。こういう時だからこそ、いつも以上にコミュニケーションを増やし、お互いの気持ちをわかりあえるように努めましょう。
③ 誰かに相談する
子育ての大変さに加え、夫婦関係がギクシャクすると、自分一人の力ではどうしようもなくなってしまうこともあります。信頼できる友人や家族などに、悩んでいることを話してみてもいいですし、夫婦の間に入ってもらってもいいでしょう。その場合、できるだけ公平に夫婦の話を聴いてくれる人が望ましいと思います。どちらかの味方になられると、余計に話し合いがこじれる恐れもあります。
フェリアンでは、産後クライシスで悩んでいる方へのカウンセリングを行っています。
妻の出産後夫婦関係が悪くなり困っているというときには、お気軽にご相談ください。
ご夫婦で来ていただく夫婦・カップルカウンセリングと個人カウンセリングがあります。ご夫婦の状況に合わせてお選びいただけたらと思います。
フェリアンのカウンセラーが、ご夫婦の悩みに寄り添い、より良い関係を築いていけるようにサポートいたします。