カウンセリング

解離性障害、解離性同一性障害のカウンセリング

フェリアン大阪・京都では、解離性障害、解離性同一性障害の方へのカウンセリング(心理療法)に力を注いでいます。

解離とは

解離とは、記憶、感覚、感情、思考、同一性などの統合が失われた状態です。たとえば、過去の記憶が抜け落ちたり、感覚の一部を感じられなくなったり、感情が麻痺すること、普段はしない知覚や思考、行動が現れることもあります。離人感や非現実感も症状に含まれます。

原因としては、大きなストレスやトラウマが関係していると考えられています。とくに幼児期、児童期に強いストレスを受け、トラウマとなる体験が繰り返される場合(学校やきょうだい間のいじめ、家族や周囲からの性的・身体的虐待だけでなく、徹底した無視、育児放棄、親が精神的に子どもを支配している場合)、ショッキングな事故や事件、性被害を体験した場合などです。日本では、関係性のストレスに由来する場合も少なくないと言われ、愛着の障害によって引き起こされる可能性が指摘されています。 周囲のサポートがあれば状態の悪化は防ぐことができるのですが、辛い体験が持続し、周りのサポートが不足するなど いくつかの要因が重なって生じることが多いようです。

解離とは、つらい体験のダメージから心身を守るために、記憶や感覚、感情を通常の意識から切り離す無意識の防衛反応であると考えられます。しかし、この防衛機制が長期的に続くと、日常の生活に支障をきたし、解離性障害になってしまうことがあるのです。自分の中にいくつもの人格(幼い時の自分、ある時期の自分といったように自分の一部分と感じるものから、自分とは思えない、全く異なる部分など)が存在しているものを、解離性同一性障害(多重人格障害)といいます

解離の症状

症状には、記憶の欠落、感覚や感情の麻痺、非現実感、離人感、複数の人格が交代で現れるなどがあります。 例えば、以下のような体験をする人が多くいます。

ばかとか死ねとか、自分をののしる声がする。 した覚えのないラインやメールのやりとりを見つける。 自分がロボットや着ぐるみの中にいるような気がする。 気づくと知らない場所にいることがある。 鏡に映る自分が自分ではないような気がする。 何をしたのか覚えてないが、友達とトラブルを起こしたようだ。 もう一人の自分がいて、自分を冷静にながめているような気がする。 時々、自分が小さい子どもになったように感じる。 もう一人の自分がいて、よく会話をしている。 外の世界を濁ったガラス越しに見ているような気がする。 子どもの頃の記憶がほとんどない。 身体がふわふわ浮いているように感じる。 身体が思うように動かせない。 自分の身体が自分のものではないように感じる。

解離性障害からの回復のために

解離性障害の方は、対人関係に不安や恐怖を感じる方が多いため、まずはカウンセラーとの信頼関係をゆっくりと築いていきます。これまで人に話して信じてもらえなかったり、理解してもらえなかった体験があるかもしれませんが、ありのままの体験をカウンセラーに受けとめてもらうことも、安心感へとつながり、回復への一歩となるでしょう。

安心して生活できる環境を整えるために、家族などの身近な人たちに、症状を理解してもらうことも大切なことです。周りに理解してもらうことで、自分の言動を覚えていなかったり、一貫性のない行動をとったときに、叱られたり、責められたりすることを避けることができます。症状を理解することは、身近な人にとっても、本人の言動を理解し、納得しやすくなるため、ストレスが軽減されることになるでしょう。必要であれば、ご家族にカウンセリングにお越し頂くこともあります。

自分自身の症状を理解していくことも大切です。どんな時に解離が引き起こされるのか、その時どんな風になるのか。交代人格がある場合は、それぞれの役割を知り、コミュニケーション手段を作り、話し合って意見を調整したり、関係を良好にして、助け合って生活上のストレスを改善し、安定して暮らしていけるようになる方向へと進めていきます。症状をコントロールしたり、ストレスに対処するための方法を練習することもあります。つらいトラウマに対しては、トラウマからの回復に向けたカウンセリングを行うことが役に立ちます。また、愛着修復のプロセスが重要な意味を持つこともしばしばあります。

解離性障害からの回復は簡単な道のりではないかもしれません。しかし、少しずつ気持ちが落ち着き、安心感が増し、安定して暮らせるようになっていきます。回復へのステップを前に進めていることを確かめつつ、この道のりを歩んでいきましょう。フェリアンのカウンセラーはそのプロセスに寄り添い、サポートいたします。

参考文献

『解離性障害のことがよくわかる本』 柴山雅俊 講談社 こころのりんしょうa.la.carte『解離性障害』星和書店 厚生労働省ホームページ みんなのメンタルヘルス

ページトップへ戻る