カウンセリング
共依存を解決するためのカウンセリング
フェリアン大阪・京都では、共依存を解決するためのカウンセリングを行っています。
共依存とは
共依存とは、「自分と特定の相手が、互いにその関係性に過剰に依存し、その人間関係に囚われている状態」をさします。
もともとはアルコール依存症の患者と家族との関係から生まれた言葉で、依存症患者がパートナーに依存し、またパートナーも患者のケアに依存するために、いつまでもその状態が継続してしまうことから、使われるようになりました。
その後、アルコール依存症だけではなく、ギャンブル依存症や薬物依存、インターネット依存、またドメスティックバイオレンスなどでも、同じような関係性が認められることがあるため、「共依存者」とは、「ある人間関係に囚われ、逃げられない状態にある者」としての定義が広まりました。
例えば、ギャンブル依存者の借金を穴埋めする家族や、パートナーの問題行動に手を焼きながらも耐えてしまう妻など、一見、自己犠牲的、献身的に見えながら、実際には患者を回復させず、症状を助長し、自立するのを阻害するパターンを「共依存者」は取ります。相手から依存されることで無意識のうちに自己の存在価値を見出し、その相手をコントロールすることによって、心の均衡を保とうとするのです。
共依存になる人の特徴
- 相手の世話を優先し、自分を犠牲にする。
- 相手に必要とされることで、自分の存在意義を感じる。
- 相手をコントロールしたがる。
- 自己の価値を低く見ている。
- 他者との境界があいまいである。
- 相手に問題があるのは自分が悪いからだと思う。
- 物事を極端にとらえ、客観的に見ることができない。
- 自分の気持ちを伝えるのが苦手である。
以上は、「共依存者」に共通する特徴ですが、本人はそのことを意識することはあまりなく、自然にその状態になってしまっていることも多く、変える方法が見つかりにくいものです。この状態が良くないということに気づいていない場合もあります。
しかし、共依存の関係は、片方が過度に感情を抑え、極端な自己犠牲を行うことで成立している不健康な関係であり、「共依存者」に精神面や身体面で不調が生じることが少なくありません。
また、良くない関係とわかっていても、関係性に依存してしまっているため、なかなかその状態から抜け出せないことがあります。「共依存」は、その人の性格や成育歴の影響が大きく、特に機能不全家庭に育った子ども(アダルトチルドレン)は、幼いときから親の顔色を伺って育ってきていることから、パートナーに対しても、欲求をくみ取って世話をすることに長けてしまう傾向があります。
共依存を克服するには
慣れ親しんだ「共依存」という状態から抜け出すのは、難しいものですが、まずは、自分自身が「共依存」に陥っていることを自覚し、「変わろう」と決意することからはじまります。
共依存であることに気づく
「共依存」の人は、相手との関係性に悩み、感情が混乱して、状況を客観的に見ることができず、「つらいけど離れられない」と苦しまれています。
まずは、「共依存」であることを客観的にとらえ、その原因になっている自分の性格を見つめ直す必要があります。
共依存の原因になっている性格を見直す
「共依存」になりやすい人に共通した性格は、自尊心が低い、自己犠牲心が強い、他者との境界があいまい、感情のコントロールができない、現実逃避しやすい、自分をうまく表現できないなどがあります。そして、核となる自分自身というものをしっかり持てていないという特徴がみられます。
「自分自身を確立する」には、自分と向き合い、嫌なことから逃げず、自分の力で乗り越えていく経験を積み重ねることによって培われていきます。
共依存になっている関係性を改善する
「共依存」の関係は、時には強引にでも離れることが必要な場合があります。「共依存」の人は相手から離れることを申し訳なく思いがちですが、離れることがお互いのためだと割り切って、距離をとることも重要です。
「この人がいないと淋しい」「何とかしてあげたい」「この人をわかってあげられる、助けてあげられるのは、私しかいない」という感情に流されず、冷静に正しい判断ができるようになりましょう。そうしなければ、相手が別の人に変わっても、同じことを繰り返してしまいます。
将来のことを悲観しない
「共依存者」は、物事をネガティブに悪いほうへ考えがちな傾向があります。起こっていないことを心配したり、不安に思うあまり、それを埋め合わせずにいられなくなり、人に依存してしまうのです。
未来のことは誰にも予測できません。そのことを過剰に恐れるのではなく、将来が良くなるように行動をし、選択することが大切なのです。
「共依存」は、人との間で生じる問題であるため、一人の力で解決するには、多大なエネルギーを必要とします。フェリアン大阪・京都では、「共依存」に苦しんでいる方が、自分自身の問題に気づき、より良い未来を築いていくことができるよう、カウンセリングを通してお手伝いします。
参考文献
清水新二編(2002)「共依存とアディクション」(培風館)