カウンセリング
モラル・ハラスメント(モラハラ)行為を変えたい方へのカウンセリング
フェリアン大阪では、モラル・ハラスメントをしてしまう人へのカウンセリングを行っています。
モラル・ハラスメントとは
モラル・ハラスメント(通称モラハラ)とは、言葉や態度によって、相手を追い詰める精神的な暴力を意味しますが、定義が定まっているわけではありません。モラハラは、恋人間、夫婦間、家族間、友人間、会社内など、社会の様々な場所で起きます。
モラハラをする人は、自分自身の言動がモラハラに当たると思っていない、指摘されても認められない、指摘する相手の方がおかしいと思っていることが多いものです。しかし、モラハラという言葉が知られるようになってここ数年は、モラハラをしている方の相談も少しずつ増えてきました。相談のきっかけは、パートナーから「あなたのしていることはモラハラなのでカウンセリングを受けて欲しい」と言われたことや、パートナーが出て行った、インターネット等の記事を見て、自分がモラハラをしているのではと不安になったなどです。
モラハラにいたる心理と、モラハラ行為を変えていくために
以下にモラハラ行為にいたる心理と、変えていくためのカウンセリングの取り組みの一例を紹介します。
相手を思い通りに動かしたい、コントロールしたい
モラハラをする人は、相手が思い通りに動いてくれることを期待し、さらには相手が自分の望む考えや感情をもつことを期待し、そうでなければイライラして責めてしまう人が少なくありません。
そもそも自分以外の人が、自分の思い通りに感じ、考え、行動することはあり得ません。期待通りに感じ、考え、動くことを前提とするのではなく、期待通りにはならないことを前提とする逆の発想をすることも役立ちます。相手が、少しでも理解し、動いてくれるならありがたいぐらいの気持ちでいれたら、相手を責める気持ちは減るでしょう。
感情やストレスへの取り扱いに関する課題がある
イライラや怒りの感情が生じること自体は誰にでもある自然なことです。しかし、それをそのまま人にぶつけて良いわけではありません。モラハラ行為をする人の中には、思うようにならないストレスや不安を自分で抱えられず、相手に怒りの感情としてぶちまけてしまうことがあります。すぐかっとなったり、延々と怒り続けたり、自分で機嫌を直せないことがあります。
アンガーマネジメントに取り組むことが役立つでしょう。また、ストレス・コーピングや自分自身の機嫌の取り方を身につけていくと楽になります。
自他の境界線の課題がある
モラハラをする人は、たとえば、相手のスマートフォンやカバンを勝手に見てしまうなど、踏み込んではいけない相手の領域にまで踏み込んでしまうことがあります。親密な関係であってもプライバシーがあることが受け入れにくいのでしょう。また、相手には、自分と異なる感情や考え、欲求、人間関係や世界があること、そしてそれは尊重されるべきであるという感覚が薄いことがあります。親との関係で境界線を踏み込まれてきたために、適切な境界線の感覚が育めなかったことが背景にあることは多いものです。
相手の世界を尊重することや、適切な物理的、心理的境界線の感覚を身につけられれば、自他の境界線を踏み越えることを防げるでしょう。
自信がない、自己肯定感が低い。
モラハラをする人は一見プライドが高い人のように思われがちです。しかし 根柢では劣等感を抱え自己肯定感が低いことが少なくありません。劣等感から目を背け、かりそめの自信を感じたいがために、相手の優位に立ち、支配し、力を誇示することを望んでしまうことがあるのです。また、相手が他の人と関係を作り、自分の世界を楽しむことが苦痛で束縛してしまうことがありますが、このことの背景に、自分から離れていくのではないかという自信のなさからくる不安があることもしばしばあります。承認欲求が強いのも自己肯定感が低さと関係しているでしょう。
誰かを支配や束縛することで得られる自信や安心はかりそめのものです。自信がなく自己肯定感を身につけられなかった背景を掘り下げると、親からの認められなかったことやほめられなかったこと、学校生活でつらい体験をしたことが関係していることがあります。このような場合は、カウンセリングで過去を整理し、自らを肯定していく取り組みは、あなた自身を楽にしていくでしょう。
被害的である
自信がないことと関係して、被害的な思考パターンとなっている人もいます。相手の何気ない言動に、自分を軽んじている、馬鹿にしていると思い、それが怒りに繋がっていくのです。
相手の言動にない意図を読み取り、軽んじた、馬鹿にしたと解釈しているのは自分自身です。自分の考え方、捉え方のパターンに気づき、自分を楽にする考え方、捉え方に変えることに取り組むことによって、偏った解釈からくる怒りを減らすことができます。認知行動療法が役立つでしょう。
不適切な関わり方を学習している。
育った家庭環境に問題がある場合も少なくありません。例えば親が、支配しコントロールするタイプだった場合、同じことを他者に繰り返してしまうことがあります。不適切な関わり方を学んでしまい、適切な関わり方を学べなかったのです。ネグレクト環境にあった場合は、人との共感的関わりを体験できず、他者に共感することが難しくなることがあります。親との愛着関係に問題があり、関係への不安からモラハラになっていることもあります。
人との関わり方やコミュニケーションの取り方を再学習することが役立ちます。また、愛着に問題がある場合は、カウンセリングを通して子ども時代を振り返って整理し、癒しのプロセスを進めると良いでしょう。
優越意識がある。
自分は相手より知識や経験がある、賢い、正しいなどの思い込みから、相手に「教えてあげなければ」と上から説教をしてしまう人がいます。モラハラ行為者が男性の場合は、社会文化の風潮や親の夫婦関係を見て、男性は女性より優位だとの価値観を身につけてしまっている場合があります。相手を所有物のようにとらえてしまっていることも少なくありません。
良好なパートナシップのために、対等な関係性であることは重要です。対等な関係性とはどのような関係性かを学び、実践していくことは、他者と良い関係を結ぶことに繋がるでしょう。
モラハラ行為の背景にある心理や変えていくための取り組みは人によってさまざまに異なります。自分自身を変えることは、簡単ではないように感じられるかもしれません。しかし、あなた自身に変えていこうという気持ちがあれば、変わっていくことは可能です。
フェリアン大阪・京都のカウンセリングでは、モラハラ行為を変えていきたいと願う方が、自分自身の課題に取り組み、人間関係が良好になり、生きやすさにつながっていくようサポートしたいと思います。