カウンセリング
認知処理療法(CPT)
フェリアン大阪では、認知処理療法を用いた心理療法(カウンセリング)を行っています。認知行動療法の一種で、主にトラウマ体験によって生じた不適応な考え方を、現実的で柔軟な考え方に変え、苦痛を軽減することを目的としています。
どんな人に役立つのか
暴力被害、性被害、事故、いじめ、DV、ハラスメント、災害などのトラウマ記憶に苦しみ、症状のある方に役立つ方法です。書き出しやホームワークが多く、自己理解を深めることが重要となります。
認知処理療法の方法
インテーク面接、アセスメント面接の後、通常12回前後の個別セッション(1回50分程度)で構成されます。
認知処理療法は構造化された心理療法で、通常以下のステップで実施します。
1.トラウマの影響の理解
PTSDのしくみや、認知理論を学びます。トラウマを振り返り、自身が体験した出来事とその影響(感情・思考・行動)を理解します。
2.トラウマの意味筆記の記載と見直し
トラウマティックな出来事が起きた原因についての自身の考えと、トラウマ体験の結果として自分・他者・世界についての信念がどうなったかを短く書き出します。その出来事が人生の様々な側面(安全、信頼、力とコントロールの感覚、価値、親密さ)にどう影響したのかを整理します。
3.出来事・思考・感情のつながりをみつけ、事実と思考を区別する
ABC用紙を用いて、日々の出来事の解釈やトラウマへの評価が、感情にどう影響するかに気づきます。
4.思考の特定と記録
トラウマに関連する考え方を振り返り、「自動思考」や信念(例:「自分は無力だ」「自分のせいだ」「自分は正しい判断ができない」「世の中は危険だ」など)を特定し記録します。
5.非機能的な思考の再評価
自身の認知のゆがみを認識し、それをより現実的でバランスの取れた思考に置き換えていきます。
6.5つの主要領域の再評価
「安全」「信頼」「力/コントロール」「価値」「親密さ」など、トラウマ後に損なわれやすい価値観・信念を見直していきます。
あなたの抱える問題に認知処理療法が役に立つ可能性があるかどうか、カウンセリングの場でカウンセラーにご相談ください。認知処理療法を実施するかどうかは、カウンセラーがご相談内容をおうかがいしてから検討していくことになります。どの心理療法においてもそうですが、認知処理療法も全ての人や症状に効果があるというわけではありません。
認知処理療法を実施しているカウンセラーは、窪田と下地です。
フェリアン大阪のみで実施しております。
参考文献 『トラウマへの認知処理療法』P・A・リーシック、C・M・マンソン、K・M・リチャード著 伊藤正哉、堀越勝監修 創元社