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折れない心をつくるには?/下地久美子
つらいことがあったり、うまくいかないことが続いたり、信じていた人に裏切られたりすると、誰でも、心が折れそうになってしまうということがあります。
同じような経験をして、心が折れそうになったとしても、ポキンと折れてしまって立ち上がれなくなってしまう人と、苦しいながらもなんとか持ちこたえられる人がいます。 その違いはどこにあるのでしょう? 第2次世界大戦でホロコーストを経験した孤児たちの研究から、逆境を乗り越えた人たちには共通の傾向があることがわかってきました。その一つは、「思考の柔軟性」です。つまり、厳しい状況に置かれたとしても、悪い面ばかりではなく、わずかでも良い面を見出す、しなやかな考え方ができるというのが、重要なポイントとなります。 他に、状況に一喜一憂しない「感情コントロール」、少しずつ成長前進していると感じる「自己効力感」、そのうちうまくいくと考える「楽観性」、そして自分の力を信じる「自尊感情」が、折れない心をつくると言われています。 また、心が折れそうなときは、どうしても自分の殻にこもりがちになり、「うまくいくはずがない」「もうダメだ」という考えから抜け出せず、周りからも孤立してしまうということもよくあります。そういうときこそ、家族や友人に悩みを打ち明け、しんどいと思っていることを愚痴ってみるのもいいかもしれません。誰かと気持ちを共有することで、心は少し軽くなるものです。 そして自分にとって一番大切なものは何なのかに気づくというのも、折れない心をつくるのに役に立ちます。