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更年期とうまく付き合うために/森﨑 和代
「ちょっとしたことでイライラする」「考えがまとまらない」「気持ちが落ち込む」「わけも無く悲しく涙が出る」「不安で不安で仕方がない」「好きだったことを楽しめない」「何もかもがおっくう」「気持ちがふさぐ」「女性として自信が持てない」「全身の倦怠感」以前はこんなことなかったのに・・・。
こんなことはありませんか?更年期は、心身の不調に悩む女性が増える時期でもあります。これらはもしかしたら、更年期の症状かもしれません。
◆更年期とは?
更年期とは、閉経(日本女性の閉経年齢は、平均50歳~51歳)をはさんだ前後10年間のことをいいます。この間、女性ホルモンの分泌量の減少により、女性の心と身体は大きく変化し、バランスを崩しやすくなるとともに、子どもの進学や巣立ち、夫婦関係、仕事の行き詰まり、親の介護など、人生の様々な出来事が複雑に重なり精神的にもまいってしまいやすい時期です。
50歳代の女性の9割は何らかの更年期障害を自覚していていると言われ、また、3人にひとりは、気分の落ち込みを感じているといいます。
◆更年期の入り口に起こりやすい、多彩な不定愁訴
肩こり・腰痛・手足の痛み、目が悪くなる、顔や身体がほてる、のぼせる、異常な汗、腰や手足が冷えやすい、皮膚のかゆみやカサつき、頭痛、物忘れがひどい、疲れる・スタミナがなくなった、動悸息切れ、血圧が上がったり下がったりする、めまい、耳鳴り、頻尿・排尿障害、腹痛・下痢・便秘など腸の不快症状、寝つきが悪いまたは、眠りが浅い、吐き気がよくある、怒りやすく、すぐイライラする、なんとなく不安、くよくよしたり、憂鬱になる。これらは、更年期の入り口に起こりやすいといわれる症状です。
不定愁訴は加齢性の変化です。このような症状が多少あっても、気にならない程度なら病院に行く必要はないでしょう。食事の質や量に気をつけたり、睡眠の質を良くしたりして自分を大切にしましょう。ストレス、運動不足が症状を重くする場合もあるため、ストレッチや軽いウォーキングなども心身のリフレッシュに役立ちます。
しかし、症状が重く生活に支障がでるようなら、我慢しないで医療機関に相談してみましょう。更年期の不調と間違いやすい病気が潜んでいる可能性もあるからです。
◆「更年期うつ」と、「うつ病」は違うの?
更年期に、心身の不調を抱える女性はとても多く、うつ病の手前の「うつ状態」に陥ることは珍しいことではありません。更年期のうつ気分は、ホルモンの変動(エストロゲンの減少)と、家庭・仕事などの社会的要因が重なって起こる「一過性の気分変調」です。「気分の落ち込み」「体の不調」「睡眠の質の低下」「食欲の異常」などの症状が現れます。
一方、一日中気分が落ち込んで、これまで楽しいと思えたことに対する興味がなくなったり、急激な体重の増減、不眠や睡眠過多、死ぬことばかり考えたり、周囲から見て動作がひどくゆっくりになった・・・といった症状が2週間以上続く場合は、一人で抱え込まずに、婦人科、更年期外来、女性専用外来、漢方専門医、心療内科、精神科などを受診することも役立つでしょう。
50歳代の女性の9割は何らかの更年期障害を自覚していると言われますが、8割の人は更年期とうまく付き合っているとも言われます。第二の人生への移行期を、明るく楽しく過ごすためには、まずは、あるがままの自分を受け入れることです。
・更年期はだれにでも訪れる
・更年期は身体も心も揺らぐ時期であると知る
・更年期は、人生を見直すチャンスでもあると考える
・自分を大切にする(睡眠・食生活を見直す、運動を取り入れる、楽しみを持つなど)
・これまでの行動パターンを変えてみる(気分転換、生きがいを持つ、人とつながる)
・専門家の力を借りる
人生80年という現代、閉経以後の人生も約30年あります。
フェリアンのカウンセリングでは、これからの時間をどう過ごすのか、どう過ごしたいのか、これから始まるあなたの第二の人生を、あなた自身の手で選び取っていけるよう、お手伝いさせていただきます。
あなたの辛さに寄り添うカウンセラーとの出会いが、あなたの助けとなればと思います。
参考文献:野末悦子著『続・いい女の更年期』主婦の友社
:『更年期120のヒント』日経BP社
:アルフォンス・デーケン『よく生き、よく笑い、よき死と出会う』新潮社