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「ママ友」との関係に悩むとき/下地久美子

「ママ友」との関係に悩んでいませんか?

気の合う「ママ友」と出会えると、子育ての悩みも共有できるし、これほど頼りになる存在はないのですが、一方で、「ママ友」との関係に悩む方も、たくさんいらっしゃいます。

・子どもが幼稚園に入園したが、自分だけ仲の良い「ママ友」ができない。他の人が楽しそうにしているのを見ると、「私に何か欠点があるのでは?」と自分を責めてしまう。

・「ママ友」からの誘いを2回続けて断ったら、それから声をかけてもらえなくなった。

・「ママ友」のLINEグループに入っているが、どのタイミングでコメントをすればいいかわからない。コメントするにも内容を考えるのにすごく時間がかかり、コメントしたらしたで、それがおかしくなかったか気になってしまう。

・幼稚園の送迎バスの停留所で、「ママ友」と何を話したらいいかわからなくて、毎日が憂鬱になる。

・「ママ友」から来たメールに、過剰に気をつかった返信をしてしまい、「変な人」と思われていないか心配でたまらない。

・自分に仲の良い「ママ友」がいないために、子どもにも、友達ができないんじゃないかと思う。

・「ママ友」から声をかけてもらえるのは嬉しいが、毎日のようにお茶やランチに誘われるのがしんどい。そこで話したことが、他のママにも伝わっていて、ショックだった。

・「ママ友」の集まりでは、いつも先生の悪口や他のお母さんたちのウワサ話が多くて疲れる。賛同しないと、仲間はずれにされるのが怖い。

など・・・。

「ママ友」との関係に疲れて、子どもにきつく当たってしまったり、外に出るのがおっくうになってしまう方も少なくありません。

携帯電話やスマホのない時代であれば、「ママ友」同士の情報伝達手段は、スーパーでの立ち話や長電話ぐらいだったのが、今はメールやLINEで、知らないうちに、自分だけを外して情報が回されていたり、Facebookやツィッターなどで、知らなくていい情報を見つけてしまい、孤立感を深めることもあるでしょう。

そもそも「ママ友」とは、なんでしょう?

「ママ友」のことを、水島(2014)は「たまたま子どもが同じ幼稚園(保育園)に通っているだけの関係性であり、自分の友達というわけではありません。友達として見るのではなく「職場の人」くらいの見方をした方が良いのです」と言っています。

つまり一見私的な関係のように見えて、家族のために引き受けなければならない「社会的な仕事」と割り切るといいのかもしれません。

その園に通っている間の「社会的な仕事」と思って、あまり深刻に考えずに、適度にママ友とのお茶やランチに付き合い、用事のある時には「ちょっと病院に行かないといけないの」とか「すごく行きたいんだけど、夫のお母さんが来るのよ」など適当な理由をつけて断り、負担がかからないようにバランスをとるのが大切です。

自分がいないときに噂話のネタにされるのでは?と心配になることもあるでしょうが、多かれ少なかれ、その場にいない人のネタで盛り上がるというのは、避けようがないことかもしれません。

仲の良い「ママ友」が見つからないと園に行っても居心地が悪いし焦るというのはよくわかりますが、少し視点を変えてみてはどうでしょう?「ママ友」と関わらなければ、プライバシーを詮索されることもありませんし、「ママ友」とのおつきあいに時間を取られることもなく、かえって自由でいられるという良い面もあります。

小学校に入れば、「ママ友」とのつきあいは薄まり、子どもは自分で友達をつくり、世界を広げていきます。幼稚園(保育園)のとき、どうしてあんなに悩んでいたのだろうと思うほど気が楽になったとおっしゃる方もいます。

LINEやメールの内容も、自分が気にしているほど、他の人は気にしていないものです。毎日多くのメールやLINE が行き交い、やり取りしているわけですから、よほど重要なこと以外は次から次へと流れていきます。

もちろん「ママ友」とのつきあいが、子どもが園を卒業し、小学生や中学生になっても、さらには社会人になってからも、ずっと続くこともありますし、ママ同士がかけがえのない親友となっているというのも聞きます。

それはどこで出会った友達でも同じで、気の合う人とはつきあいが続くし、反対に合わない人とはいつの間にか疎遠になっていくものではないでしょうか。

頭ではわかっているけれど、どうしても「ママ友」とのつきあいがしんどいというときには、カウンセリングを受けることが役に立ちます。カウンセラーと話すことで、状況が客観的に見えたり、自分が悪いわけではないと思えたり、上手な対処法を一緒に考えていくこともできます。また、「ママ友」との関係に悩む方は、過去にいじめを受けていたり、人間関係で躓いた経験をひきずっていることがあります。ご自身の抱える人間関係への苦手意識をひも解いていくことによって対処能力を高めていくことも可能です。

フェリアンのカウンセラーは、つらいとき、どうしようもなく落ち込んでしまうとき、自分を責めてしまうとき、あなたの側にいて、共に出口を探すお手伝いをします。

参考文献

水島広子(2014)『女子の人間関係』サンクチュアリ出版

(2017年8月)

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