エッセイ

余裕をつくる/森﨑 和代

「忙しいね~」とよく言われる。

確かにわたしは、フェリアンでの講師の仕事の他に、電話相談、CAP(キャップ=子どもへの暴力防止)活動と3足のわらじを履いている。また出張で家を空けることも何度かあり、朝から晩まであらゆる仕事のためにあちこちに出かけている。逆に、在宅仕事の日はほとんど椅子の上から動かず家に居ても外に出ない。そのため、ご近所では私を見かけることは“レア”で、ラッキーだとさえ言われているらしい(笑)。私は家族を含め、周囲の人から忙しい人と思われている。

「忙しい」とは「心を亡くす」と書く。

最近家に居ないな~、掃除っていつしたっけ?そういえば、晩御飯もしばらく作ってない、あ、最近映画を観ていない、以前はもっとiPhoneで写真を撮っていたのになぁ、エッセイのネタにも困るようになってきたし(汗)。毎日忙しいからか、周囲に目や気持ちが向いていないと思う。毎日余裕がないよな~、と自分でも自分を忙しい人と思っている。

「休日がない」と言う。

仕事がない日は休日だ、そのはずだ。しかし私の場合自宅にいる日でも、いつも何かしらやらなければならない仕事がある。そして在宅で仕事をしていると、気づけばあっという間に時間が経っている。なぜもうこんな時間!?予定していた、やらなければならない仕事が徐々にたまっていく、ご依頼の整理等事務作業や、ご依頼先とのメールのやりとり、レジュメ作成、講義準備などなど。おまけに、家も散らかりほこりもたまる・・・(汗)。不思議の国のアリスの中で「何でもない日おめでとう~♪っていう歌があるけど、ホンマにそうやわ!」と、好きな仕事をしているにもかかわらず自分を忙しい人にしてしまう。

でも!「忙しいのに、元気やね」とも言われる。

どの仕事にもやりがいがあり、仕事をすることで元気をもらっているのだが、特に講師の仕事は代わりのきかない仕事で、気力体力が必要だ。そうそう美貌もね(笑)。歳を重ねるごとにそれらに衰えを感じ、疲れやすくまた疲れが取れにくくなったことを自覚してきた。しかしそれを自覚しているからこそ、いろいろなことに対処していることにも気づく。

毎日数分ではあるが、自分なりにちょこちょこストレッチをしたり、時間があれば、暑かろうが寒かろうが大好きな朝のウォーキングにも行き、日常に簡単な運動を取り入れ快食快眠快便!と健康維持を心がけている。時には、仕事の合間に友人とランチに行く楽しみを作り、月1回は友人にリンパマッサージをしてもらい、1~2か月に1回は整骨院に行く。夜の街に女子会で繰り出すことは毎月恒例化しているし、年に何回かは学生時代の友人たちとプチ同窓会をする。ここ数年は、年に1回高校時代の部活仲間と温泉旅行にも行くようになった。1年に1回は7~10日間ほどの長期休暇を取り、離れて暮らす家族と過ごす。一人で思い立ってコンサートや観劇に出かけたりして一人で楽しむ時間も大切にしている。

こうして見てみると、けっこうバランスの取れた生活をしているかも!わたしって、うまく余裕をつくって生活してるやん! 余裕をなくし仕事に忙殺されているわけではない!そう思うと元気が出てくる。前向きな思考は自分を元気づける!

疲れたと思ったら、すこしでも早めに寝る(最近は知らない間に意識を失ってうたた寝しているが・・・)。すると白々と夜が明けるころ、ほんのりと目が覚める。ん!?まだ五時過ぎ?もう少し、もう少し、、、としばしまどろむ。。。至福の時でもあり、私の元気のバロメーターでもある。この習慣がつくと、目覚ましをセットしていても、たいてい目覚ましが鳴る前に目が覚め起きることができる。これらのことから体内時計が働き生活のリズムを刻んでいることに気づく。

子どもたちが夏休みに入りなにかと忙しい毎日、気が付けばもうこんな時間、時間がない余裕がない。。。暑いということだけでも体力は奪われますよね。まずは心身を休め、ちょっと意識して楽しみを作ってみましょう。余裕ができるといろいろなものが見えてくるかも。今年わたしは、木の上で鳴いているセミを見つけることができるようになりました!←ちょっと自慢(笑)。毎日の生活の中に、1週間に一度、ひと月に一度、一年に一度でも少し余裕をつくって元気に毎日を、そしてこの夏を乗り切りましょう!

(2016年7月)

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